2007年08月24日

bP1 僕は太陽(サン)

この家に来て 数週間がたった。
病気も しなくなった頃、
1階の仲間達に 僕を紹介してもらった。 
皆、僕が2階で暮している事は 
臭いで 解ってくれていた。
皆の仲に 放り込まれた僕は 困ってしまった。

  「こんにちは。
     僕、サンです。よろしく!」

皆が いっせいに 僕を匂いに来た。
Mダックスの ジェニー婆さん、吾空おじさん、ネネおばさん、
モエおばさん、メイちゃん、マルちゃん。
シェルティの パールちゃん。

  「エコちゃん 助けて〜」

  「しっかりしなさい。
   私も最初に その洗礼を受けたのよ。」

そして 皆は僕を 家族として 受け入れてくれた。
僕に 意地悪をする犬は 1頭も居ない。
外には コリーのウーおじさん、
グレートデンのアンディおじさんも 居た。

  「僕の体の 何倍有るんだろう?」

皆、凄く優しい。
動物病院では 仲間は沢山居たけど
いつも 違う誰かだった。
夜には 僕は必ず 一人ぼっちになってしまっていた。

  「家って、家族って
    同じ仲間が いつも一緒に居られるんだね。
   ウン! やっぱり その方が嬉しいな!」

  
        皆、大好き!

ニックネーム ecolo at 19:02| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

bP0 僕は太陽(サン)

家には お母さん以外にも

  「お父さん、お兄ちゃん」

って 呼ばれている人達が居る。
でも 僕を あまり撫でてくれたり、声はかけてはくれない。
仲間は 僕とエコちゃん以外は 皆
血統書付きの 純血種と呼ばれている 犬達ばかり。

  「やっぱり 僕は 
    雑種で 3本足だから 嫌われてきるのかな?・・・」

僕は 少しずつ解ってきた。

   「可愛い。可哀そう。」

って 言葉の意味が・・・
他所の犬だから 僕を哀れんで
優しくしてくれただけだったんだ。
僕みたいに 雑種で 何の価値もなく
おまけに3本足の 僕を
本気で 受け入れてくれる人なんて
ほとんど 居ないんだ。

  「お母さんは どうなんだろう?
     僕の事を どう思っているんだろう?」

  「今まで 感じた事の無い 淋しさで 胸がチクチクするよ。」

  「淋しいよ。
   怖いよ。 
   誰でもいいから 僕を撫でて!
      かまっていて!
    僕を 見ていて!」
ニックネーム ecolo at 18:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

bX 僕は太陽(サン)

僕を お母さんの所に 連れて来てくれたのは
草原で 僕を見つけて 動物病院へ運んでくれた
心優しい お兄さん。
僕の為に 仕事を休んで
神戸から 愛媛まで 車を走らせてくれたんだ。
僕の
 
  「サン」

と言う 名前は 3本足の

  「3:サン」

と 太陽の様に いつも明るく 皆から愛される様にと

  「SUN:サン」

僕の命を助けてくれた 動物病院の先生が
付けてくれた 名前だったんだ。
お母さんは 心優しい、正義の味方の

  「アトム」

に したかったんだけど 「サン」の由来を聞いて

  「一番ステキな 名前ね。」

って!
僕は いろんな人に守られ、愛されていたんだね。
でも その頃の僕には そんな事 ぜんぜん解らなかったよ。
お母さんが 僕の宝物として 大切にとっておいてくれている物。
僕が お母さんと初めて会った時にしていた 赤い小さな首輪。
お母さんが こっそりと教えてくれた。
裏に書かれている 先生から僕への メッセージを。

  「さんちゃんが 幸せで いられますように。」
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bX 僕は太陽(サン)

お母さんが 僕の事を知ったのは
ネットの 里親探しのコーナーだと 言っていた。
やっと目が開いたばかりなのに
3本足になったしまってた 僕の事が心配で
僕を見つけて 病院へ運んでくれた人と
ずーと メールのやりとりを していたんだって。
お母さんは 少しでも早く 僕を引き取りたかったんだけど
僕の命を助けてくれた 動物病院の先生が

  「こちらでも 絶対にきとくな人が居るはずだ。
   四国なんて 遠くにはやりたくない。

って お母さんの申し出を 断り続けていたんだって。
お母さんは

  「では そちらで この子にとって良いご縁が有りましたら
   宜しくお願いします。
   もし 良いご縁が見つからなかった時の為に
   私は この子の最後の 受け皿になります。」

そう 先生に伝えたんだって。
何組かの 家族が 僕を引き取りたいと 言って来たらしいけど

   「可哀そう。可愛い。だけでは 犬は飼えない。
    せっかく助かった命。幸せになって 欲しいんだ。」

って 一生懸命に 僕を幸せにしてくれる里親さんを
探してくれたんだけど なかなか見つからなくて・・・
僕の 心身の成長を考えると
 
  「動物病院で 世話するのにも限界が有る。」

って 先生は 僕のアルバムと 一通の手紙を添えて
僕の幸せを お母さんに 託したんだって。
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bW 僕は太陽(サン)

お母さんは 今はある会社の事務所で 仕事をしている。
僕が 初めて お母さんとエコちゃんに
会った場所が そうらしい。

家には 他にも仲間がいっぱい居るのに
僕と エコちゃんだけは 特別扱いで
毎日 お母さんに 事務所に連れて行ってもらっている。
事務所には 僕とエコちゃん専用の それぞれの部屋が有る。
そして エコちゃんは そこから

   「犬の学校」

とやらに お迎えの車に乗って 出かけている。

  「犬の学校って 何だろう?
   エコちゃん、楽しそう。
   僕も 行ってみたいな。」

会社の人達も 皆
僕やエコちゃんに 優しくしてくれる。

  「結構 良いかも。」

  「でも 何故、僕とエコちゃんだけ 特別なの?」

エコちゃんが 言った。

  「私も 捨てられていたの。公園に・・・
   優しい人も居たけれど 私を棒で叩いたり
     石を投げつけてきた人も 居るわ。
   いつも お腹をすかせていたし 
     安心して眠れる場所も無かったの。
   飼い主さんと お家に帰っていく お友達を見送りながら
    淋しさに 押しつぶされそうになった事も 数え切れないわ。
   何故、私には 帰るお家が もう無いの?・・・
   そんな時 お母さんが 抱きしめてくれたの。
   今は とっても幸せよ。
   サン君にも 解る日が 来るわよ。」
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bV 僕は太陽(サン)

下痢が治ると 今度はオシッコに 血が混じりだした。

  「オシッコする時 痛いよ・・・」

病院で 検査すると
  
    「尿道結石」

と 言われた。
僕みたいな子供がなるのは 珍しいとも 言われた。

  「僕って やっぱり変なのかな?」

直すのに お薬と
決められたご飯を 決められた量しか
食べさせてもらえなくなった。

  「育ち盛り、食べ盛り真っ最中の僕なのに・・・」

それでなくても 右前足が無いから
残っている左前足に 負担が掛かるからと
お腹いっぱいには 食べさせてもらえない。
 
  「食べる事だけが 僕の唯一の楽しみなのに。」

お母さんは 容赦なく キッチリとしか くれない。

  「お母さんは 以前に動物病院のスタッフをしていたから
   こう言う事は 厳しいのよ。」

と エコちゃんが 教えてくれた。

  「何か、モヤモヤ〜、イライラするよ〜」

エコちゃんから 一喝!

  「サン君、自分の為でしょ。
   我慢、我慢!」

尿道結石が治ると 僕は病気らしい病気はしなくなり
元気いっぱいに なった。
ニックネーム ecolo at 17:44| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

bU 僕は太陽(サン)

僕が 3本足になったのは 暑い8月の初め。
そして エコちゃんに初めて会ったのが 11月。
エコちゃんが いろいろと教えてくれるけど
僕には 解らない事ばかり。
それは 僕が 人で言えば まだ5歳位の
子供だからだと 思っていた。
僕は 足以外で 何処が仲間と 違うのだろう?


僕は ある日 酷い下痢をしてしまった。
それも ウンチをする時に
仲間の様にうまくバランスをとって 踏ん張れないから
中腰になってしまい 白い壁も お母さんのベッドも
僕の ウンチまみれに してしまった。

  「怒られる〜」

でも お母さんは 僕を
一度も 怒ったり 罰する事はなかった。
ただ

  「お腹痛いね。つらいね。よしよし。
   お母さんが付いているからね。大丈夫よ。」

って 汚れた僕の体を 優しく拭いてくれたり
病院へ 連れて行ってくれた。

お腹は痛いし、体はだるいし、最悪だったけど
なぜか 胸の中に フワッとした 不思議なものが有った。

  「何なのだろう?」

お尻が ムズムズするよ。
ニックネーム ecolo at 17:26| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

bT 僕は太陽(サン)

美味しそうな臭いで 目が覚めた。
そう言えば

 「今日は 長い時間車に乗るから 車酔いしたら行けないからね。」

と 朝から 何も食べさせてもらっていない。
お腹が空いていたのと 眠たいのとで
ただ 夢中で食べて またすぐに 爆睡してしまった。


真っ暗い中、フッと 目が覚めた。

  「ここは どこ?  
     僕のベッドは どこ?・・・
    
        有った!」

翌朝、エコちゃんに言われた。

  「初めてのお家で 夜 サン君が目を覚まして 
     淋しがらないように。
   って お母さんが お布団に入れて
   抱いて寝てくれていたのよ。
   なのに サン君は ガバッと起き上がったかと思うと
   サッサと自分の部屋に入って
   知らん顔で 眠ってしまうんだもの。
   お母さんも 私も 目が点になったわよ。」

  「え!でも 僕、いつもあのバスタオルに包まって眠っていたから
   あの バスタオルさえあれば どこでも平気だよ!
   一番 安心するんだ。」

  「サン君って 変わってる〜」

  「僕、変わってるの?」

  「そうよ。私なんて お母さんの体のどこかに
   くっついる時が 安心出来る時よ。
   他の子達も そうよ。
   お母さんに 撫でてもらったり、抱いてもらって居る時が
   一番幸せよ。」

僕には 解らない?・・・



ニックネーム ecolo at 17:11| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

bS 僕は太陽(サン)

それから 女の人とエコちゃんと一緒に
また車に乗って 違う場所へ行った。
エコちゃんが 言った。

  「ここが お家よ。」

  「家? 病院なの?」

僕には 解らない事ばかり。
ドキドキしながら 建物の中に入った。

  「な〜んだ。やっぱり 病院だ。
   仲間がいっぱい 居るじゃないか。
   でも、ちょっと違う。何だろう?
   臭いだ!お薬の臭いが しないよ?」

エコちゃんに 言われた。

  「だから 家だって言ってるでしょ!
   サン君のお部屋は あそこよ。
   いろいろ教えてあげるから ちゃんと覚えるのよ。
   解った!」

女の人は 皆から

  「お母さん」

と 呼ばれていた。
お母さんの部屋は 二階に有って
エコちゃんと ブー爺さんの部屋でも有った。
僕の部屋は お母さんの部屋の一番奥の 壁際に有った。
僕の部屋には 僕がずーと使っていたバスタオルが敷かれ
お気に入りの アヒルさんのぬいぐるみも有った。
それで 安心したのと
今日は長い間 車に揺られていたので
疲れたのか 眠くなってきた。
用意してくれた お水を飲み干し 部屋に飛び込むと
バスタオルに包まり すぐに 爆睡してしまった。

ニックネーム ecolo at 16:48| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする